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エリートじゃないけど学んだ「世界のエリートが学ぶマクロ経済入門」

  円安が進行し、金利は上がり、物価も上がっていく昨今の日本ですが、 これに伴って色々と不安になるような意見や記事を目にするようになってきました。 こうした人の不安を煽る話に対して 疑うことができず、すんなりと不安を覚えてしまう時は、 大抵の場合、知識が足りないからです。 今回、私はそうした記事や動画を読んだり見たりした時に 恥ずかしながら不安を感じてしまいました。 「これはいけない、勉強が足りない」と慌てて助けてもらったのが本書です。 邦題は相変わらず恥ずかしいタイトルですが、 原題は「マクロ経済の簡潔なガイド(A CONCISE GUIDE TO MACRO ECONOMICS)」です。 原題の通り、 本書はマクロ経済の全体を解りやすく簡潔に説明してくれる、 またとない優良ガイド本です。 為替レートとインフレ・デフレと貨幣通貨量の関係が 驚くほどすっきりと説明されています。 中央銀行がどのように考えて動いているのかも解るようになります。 これだけの知識が頭に入れば、 現在の日本を取り巻く経済状態のあらましが見えるようになります。 但し、マクロ経済の原則はあくまでも原則。 著者は、現実世界は残念ながら原則通りにはならない、と マクロ経済学の限界を認めます。 この姿勢をもつ人物は本物である可能性が高いです。 「実るほど、頭を垂れる稲穂かな」 これは洋の東西を問わず真理を突いた言葉だと思います。 今のこの状況はコロナと戦争という「非日常の物事」に端を発しているので やはり原則通りにはならないと考えられます。 見通しはつかないし、予測もできませんが、 「どうしてこうなっている」とか 「日銀がどうしようとしている」といったような事は理解ができるようになったので、 冒頭の不安はほとんど消えてしまいました。 知識を持たずにオロオロすることは避けなければなりません。 解らなければ学ぶ。 そして、考える。 中3国語で学ぶ論語 「学而不思則罔、思而不学則殆」ですね。 (学びて思わざれば則ち罔し(くらし)、思いて学ばざれば則ち殆し(あやうし) ) 自分の頭で考える。 そのためには勉強をする。 両方揃って一つです。 世界は勉強の素材で満ちています。 さ、次は何を勉強しよっかな~。 デヴィッド・モス著 久保恵美子訳 日本経済新聞出版社 2016年刊

優しいマンガだなぁ「葬送のフリーレン」

今回の本は、マンガです! マンガを採り上げるのは初めてなんですが、 実はマンガも好きでよく読んでます。 今回の「葬送のフリーレン」はまだ完結していない、 絶賛連載中(週刊少年サンデー)の作品です。 サンデーにて連載中なので 大きなカテゴリーで言えば「少年マンガ」です。 少年マンガと言えば「熱さ」が売りのイメージですが、 それは「ジャンプ」「マガジン」連載作品お話で、 それに比べると「サンデー」は熱さが少ない作品が多いのが売りだと 個人的には思っています。 ※島本和彦、藤田和日郎など一部例外アリ 「葬送のフリーレン」は、 パーティー組んで、旅をして、敵を倒して、という 熱くなりそうなRPG的お話なのにやはり熱は少ない。 なぜ熱くならないのか? それは、本筋のストーリーが終わった後の 後日譚という設定だからだと思います。 メインストーリーでラスボス倒した後、 寿命の長いエルフであるフリーレンがどう生きるかという物語です。 ラスボスを倒した後の世界にもまだ残党がいて、 そいつらと戦ったりしてバトル漫画になりそうなんですが、 本作は主人公が曲者(くせもの)です。 主人公フリーレンは老成してはいる(実際かなりの老齢)が、 見た目はまだ若いということで 肩の力が抜けまくりの愛らしい性格付けにされているため、 どうやっても物語が熱くなれない設定です。 主人公が本気を出して熱くなりそうになったりもするのですが、 それは本筋ではないということで物語は熱を冷ましに向かいます。 こんなことを書くと面白くなさそうに聞こえますが、 出てくるキャラクター達がみんな活き活きしていて ほっこりしながら、ニコニコしながら、一気に読めてしまいます。 若い子には良さが解りにくいかもしれませんが、 かつて、マンガ少年、マンガ少女だった大人たちに読んでいただきたい良作です。 現在7巻まで出ています。 続刊が心から楽しみな心温まる大人のマンガです。 まだまだ完結は先になりそうなので、 ゆっくりのんびり楽しんでいきたいと思います。 出会えて良かった~。 山田鐘人原作 アベツカサ作画 小学館(週刊少年サンデー) 2020年連載開始