投稿

ラベル(マンガ)が付いた投稿を表示しています

しんどいマンガだ「タコピーの原罪」上下巻

「原罪」はキリスト教の言葉です。 詳しく述べると長くなるので簡単に言いますと 「全ての人間が産まれながらにもっている神様に背いているという罪」の事です。 タイトルからして重いのですが、 実際、重い、重い、重い漫画でした。 それでも、漫画としてこのような内容をここまで表すことができるという一つの痕跡を漫画史に刻んだことになったと思います。 SFを下敷きにはしていますが、 中心主題は人間と人間の間の負の連鎖です。 「ストレスのはけ口は常に弱者であり、 弱くなると諦念から無気力になり自死を選ぶことが多々あり救われない」という まぁ、言ってしまえば創作としてはありふれた主題なんですが、 陽キャラ「タコピー」を絡めることによって、 これまでのそうしたテーマの作品群からは抜きん出た作風となっています。 全二巻の短めの漫画でしたが、読んでいる最中は苦しくって 「早く終わってくれ」と思いながらページをめくっていました。 なんで苦しい思いをしてまで漫画を読むのやら。 こうした作品が出てくるまでに日本の漫画界が成熟しきっている証拠なんでしょうが、 世界に誇る「MANGA」の成長は歩を緩めません。 読み手をあの手この手で裏切るその手法はどこまで上り詰めるのでしょう。 正直、本作は万人受けとは思えません。 漫画が好きで好きでたまらなくって、 これまで浴びるほど読んできた方であれば面白く受け止めることができると思います。 しかし、少年、少女達は、もっと真っ直ぐな王道漫画を沢山読んだ後、 一種の下手物食いの気持ちで本作を一読することをお勧めします。 漫画の表現形式の一つとして面白い作品が生まれました。 これに触発されて、新たな作品が読めることを大いに期待しています。 陰鬱だけど素晴らしい。 今回はまったく、やられました。 タイザン5 集英社 2022年刊

優しいマンガだなぁ「葬送のフリーレン」

今回の本は、マンガです! マンガを採り上げるのは初めてなんですが、 実はマンガも好きでよく読んでます。 今回の「葬送のフリーレン」はまだ完結していない、 絶賛連載中(週刊少年サンデー)の作品です。 サンデーにて連載中なので 大きなカテゴリーで言えば「少年マンガ」です。 少年マンガと言えば「熱さ」が売りのイメージですが、 それは「ジャンプ」「マガジン」連載作品お話で、 それに比べると「サンデー」は熱さが少ない作品が多いのが売りだと 個人的には思っています。 ※島本和彦、藤田和日郎など一部例外アリ 「葬送のフリーレン」は、 パーティー組んで、旅をして、敵を倒して、という 熱くなりそうなRPG的お話なのにやはり熱は少ない。 なぜ熱くならないのか? それは、本筋のストーリーが終わった後の 後日譚という設定だからだと思います。 メインストーリーでラスボス倒した後、 寿命の長いエルフであるフリーレンがどう生きるかという物語です。 ラスボスを倒した後の世界にもまだ残党がいて、 そいつらと戦ったりしてバトル漫画になりそうなんですが、 本作は主人公が曲者(くせもの)です。 主人公フリーレンは老成してはいる(実際かなりの老齢)が、 見た目はまだ若いということで 肩の力が抜けまくりの愛らしい性格付けにされているため、 どうやっても物語が熱くなれない設定です。 主人公が本気を出して熱くなりそうになったりもするのですが、 それは本筋ではないということで物語は熱を冷ましに向かいます。 こんなことを書くと面白くなさそうに聞こえますが、 出てくるキャラクター達がみんな活き活きしていて ほっこりしながら、ニコニコしながら、一気に読めてしまいます。 若い子には良さが解りにくいかもしれませんが、 かつて、マンガ少年、マンガ少女だった大人たちに読んでいただきたい良作です。 現在7巻まで出ています。 続刊が心から楽しみな心温まる大人のマンガです。 まだまだ完結は先になりそうなので、 ゆっくりのんびり楽しんでいきたいと思います。 出会えて良かった~。 山田鐘人原作 アベツカサ作画 小学館(週刊少年サンデー) 2020年連載開始