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30年前の未来予測的中「ぼくたちの洗脳社会」

  岡田斗司夫さんの書かれた本です。 岡田斗司夫さんは、 元々はアニメ制作会社GAINAXの社長さんだったんですが、 「いまは、You tuberの人です」という説明が一番合ってると思います。 (実際はその他色々手広くされているようです) さて、本書は、 1995年に「これからの社会」を予測した本です。 「物」に価値がなくなり「情報」に価値が生まれてくる。 これまでは「マスメディア→大衆」のみだった洗脳システムが解放され、 個人でも洗脳が可能な社会が到来し、 洗脳する力が強い者に価値がある時代がやって来る、と述べておられます。 洗脳と言うと悪い印象ですが、 平たく言うと「価値観の押しつけ」です。 価値観は良いものも、悪いものもあるのですが、 今は悪いもののみが洗脳というイメージがあるので、 その点は注意が必要です。 1995年の書なんですが、 ひるがえって2023年の今を見てみると、 確かにそうなっていますね。 ネット上では著名人達がサロンを開設し、 一般ユーザーが好みの人のサロンに入会(有料です!)し、 喜んで「洗脳」を受ける流れができてきています。 また、Youtuberもにたようなものですね。 課金こそしないものの、 好みの人の動画を追いかけて見るのは、 その人の洗脳を受けている状態です。 そもそも人口減少社会では 「物を売る」というビジネスは行き詰まりを迎えることでしょう。 そうなると「何を売る?」という思考をしないと生き残りはできません。 そこで、売る商材が「情報」へと 変化していくのは必然なのかもしれません。 自分の価値観を商品化して、 それを販売するというのは、 これからのビジネスを捉える際に欠かせない視点だと思います。 尚、気を付けて読みたいのは 本書は一方的に「思うところ」を述べているだけなので、 裏付けが無く、 「当たったから良かったものの、、、」という占い師的な印象もある点です。 そういった点から考えても、 この本を読んで終わるのではなく、 本書の中で紹介されている A・トフラーの「第三の波」、 堺屋太一の「知価革命」をキッチリ読んでから考えることが求められると思います。 調べたところ両書とも絶版だったので、 私は図書館のお世話になろうと思います。 まずは「第三の波」から攻めてみます。 楽しみ♪ 岡田斗司夫著 朝日出版 1995年刊

肩すかし「LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略」

 タイトル通り「LIFA SHIFT」に続く第二作。 第一作は、この世に生きる「人」に焦点を当て、 これからの人生100年時代に合わせて生き方の変革を強く後押しする名著だった。 前作に比べると、本作は物足りない。 人生100年時代を生きるための「社会的システム」の話がメインで、 一市民としては「へー」「ふーん」という感想しか出てこない。 社会システムをこうしないと人生100年時代は乗り越えられないので、 「新たなシステムを考案しよう」という話を色々と説くのだが、 小市民の私などは「政治家さんは大変になるだろうねぇ」程度の感想しか出て来ない。 「出版もビジネス」なので理解はできるのですが、 この内容の書を個人向けと同様の売り方で売るのはやめていただきたいところです。 最後の四分の一は読み飛ばしました。 前作が良かっただけに残念な読後感。 まぁ、色々本を読んでればこういうこともあるさ、 ということで今回はここまで。 気を取り直して次の本読もーっと。 アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン共著 池村 千秋訳 東洋経済新報社 2021年刊

スマホは怖い「スマホ脳」

 スウェーデンの精神科医であるアンデシュ・ハンセン氏の「スマホ脳」という新書を読了。 精神科という視点からスマホ、 というかアプリの危険性を説く一冊。 スマホアプリによる影響は例えば、 集中力が落ちる、 睡眠不足になる、 社会的共感力がなくなっていく、 エトセトラエトセトラ。 アプリ制作者は脳科学の知見を利用して 科学的にアプリから(つまりはスマホから)離れなくなるように商品を作っているそうだ。 要は麻薬と同じ。 そういう風に作られているので、 対策としては「離れる」しかない。 作者はスマホの利便性を認めつつ 否定的側面の大きさに警鐘を鳴らす。 そういえば教室でも、 一昔前に比べると集中できない生徒が明らかに増加している。 寝不足の生徒も多い。 確実にスマホが原因とは断定できないが、 危うきには近寄らず、 できるだけスマホからは距離をとった方が得策のようだ。 大人でさえ影響を受けるのだから、 いわんや抵抗の弱い子供なら推して知るべし。 大人も子供も私も スマホとの付き合い方を考えなければならないと思う。 そのきっかけを本書が与えてくれる。 新書だからなのか参考文献がなく、 著者の言うことを信じて読むしかないのが残念な点。 それでも内容が陳腐になる訳ではないので著者を信じてみてもよいと思う。 子供にスマホを与えている親御さんも 与えられている子供達も そうでない親御さんも子供達も是非ご一読を。

「大人になるっておもしろい?」という本の話

 忙しさにかまけて ブログの更新を怠ってはや数ヶ月、、、。 いかんなぁ、と考えて、 本ブログを定期的に更新できるように 「永田の読み終えた本の感想をあげていこう」ということにしました。 (合間に本とは関係ないことを書くかもしんないです) 本なら毎日読んでいるので少なくとも月に一回は更新できるのではないかと目論んでいます。 これを機に、ブログもお引っ越し。 新天地で頑張ります。 実は某所で読書感想文を数年間アップし続けてた(匿名で)ので 今回はそこから少し加筆修正して転載です。 第一回は 「大人になるっておもしろい?」という題名の岩波ジュニア新書です。 作者はゲド戦記翻訳者の清水 真砂子さん。 子供向けのいい大人への成り方指南書。 一人でいる時間の大切さ、 上辺だけのお付き合いの脆さ、 大人から子供への過干渉の危うさなど、 今の空気に抗う内容となっている。 私は著者の意見に賛成派なので、 子供だけに読ませておくのは勿体ない本だと感じた。 体系化できないことをまとめていただいたような気持ちだ。 また、素敵そうな児童書が沢山出てくるので、 ブックリストとしても良書と言える。 こういう本から本の道に入れる子どもがうらやましい限り。 でも、大人だってこういう本から本の道に入っていいんです! なんでも利用しちゃいましょー!