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肩すかし「LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略」

 タイトル通り「LIFA SHIFT」に続く第二作。 第一作は、この世に生きる「人」に焦点を当て、 これからの人生100年時代に合わせて生き方の変革を強く後押しする名著だった。 前作に比べると、本作は物足りない。 人生100年時代を生きるための「社会的システム」の話がメインで、 一市民としては「へー」「ふーん」という感想しか出てこない。 社会システムをこうしないと人生100年時代は乗り越えられないので、 「新たなシステムを考案しよう」という話を色々と説くのだが、 小市民の私などは「政治家さんは大変になるだろうねぇ」程度の感想しか出て来ない。 「出版もビジネス」なので理解はできるのですが、 この内容の書を個人向けと同様の売り方で売るのはやめていただきたいところです。 最後の四分の一は読み飛ばしました。 前作が良かっただけに残念な読後感。 まぁ、色々本を読んでればこういうこともあるさ、 ということで今回はここまで。 気を取り直して次の本読もーっと。 アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン共著 池村 千秋訳 東洋経済新報社 2021年刊

確かに頭が良くなるだろう「読む力と地頭力がいっきに身につく東大読書」

 なんか恥ずかしいタイトルです(照)。 東京大学の名前を冠した売る気満々の題名の書です。 2018年印刷(積ん読で4年経過したことがばれた!)の帯に拠ると 「10万部」売れたようです。 かなりの売れ行きですね。 良かった。 と言うのも、内容が良かったから。 本書の内容を実践すれば、自ずと頭が良くなることでしょう。 読み方指南書が好きで色々読みましたが、 ここまで具体的なのは見たことなかったです。 内容は目新しいことはなく、 読書好きな人間ならナチュラルにやってることばかりなんですが、 読書慣れしてない人間には最良の指南書だと思います。 読みながら 「この流れで本の選び方の解説が無かったら片手落ちだな」と 思いながら読んでいたらラストにきっちり選び方書かれてたし、 万全の本です。 普段あまり本を読まない人にはお勧め。 でも、読書の猛者には必要ないかな。 こういう本が世に流通して 売れてるってのが嬉しいなぁ~。 西岡壱誠著 東洋経済新報社 2018年刊

落語聞きたくなった「やっぱ志ん生だな!」

 前に ナイツの塙さんの本 の時にも書きましたが 私はお笑いが好きです。 分け隔てはありません。 ですので、落語も好きです。 とはいえ落語は、漫才・コントほどは見てません。 最大の原因は漫才・コントに比べて敷居が高いことだと思います。 江戸時代の噺(はなし)が多いので、 もうそれだけで「辛い」と感じてしまったりします。 それでも意を決して「うまい」落語家さんの噺を聴くと やっぱりおかしくって笑ってしまいます(下手な落語は辛いです、、)。 漫才やコントにはない「深み」が落語にはあります。 あれはなんなんでしょうね。 代々受け継がれてきている歴史なんでしょうか。 あの空気を感じたくって落語を聞いたり見たりしているのかもしれません。 で、その深みを体現していた噺家さんが 今回の本のタイトルにもなっている伝説の古今亭志ん生さんです。 偉そうに「体現していた」とか書きましたが、 私は志ん生の落語は聞いたことも見たこともなく、 「お噂はかねがね」状態です。 そんな志ん生の偉大さを これまた偉大なビートたけしさんが明らかにしてくれます。 志ん生は、研究熱心で学んだ蓄積が凄いのに その凄さをひけらかさない。 とても自然なんだけど、その自然の中に蓄積が垣間見える。 それでもあくまでも「お客様ファースト」。 かといって下手に出るのではなく客との関係性は対等だったと言います。 志ん生はお金のためではなく、 落語がしたかったから落語をしていたように思うと著者は述べます。 そんな話を漫才や映画の観点から捉え直したり 自身の若かりし頃の話を交えたりしながら軽妙に綴った気軽な一冊でした。 「志ん生入門に」と思って購入したのですが、大正解でした。 ますます志ん生に興味が湧いてきてしまいました。 でも、志ん生さんは故人なんですよね~。 しかし! こういう時に力を発揮するのが落語です! 話芸の落語はCDでも楽しめるのです! てことで、志ん生のCDを色々聴いてみまーす! また楽しみが増えた♪ ビートたけし著 フィルムアート社 2018年刊

綺麗に立ちたい? この本をどうぞ
「魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本」

 うちの塾に通っている人はご存知かもしれませんが、 私は腰痛持ちです。 ぎっくり腰に襲われたときには文字通り身動きが一切できず、 それはそれは最悪な日々を過ごしました。 その時に素晴らしい整体の先生に出会い、 姿勢の悪さが原因であると分かり、 そこから「正しい姿勢」求道の旅が始まりました。 整体で教わった正しい姿勢も時間の経過と共に薄れ行き 気が付けばまた「ピキッ!」と腰に電流が走り用心生活に逆戻り。 「これではいけない」と救いを求めた先が本書です。 本書では易しい言葉で「正しい姿勢」を丁寧に説明してくれます。 正しい姿勢の勘所は、実は脱力にあるようです。 小学校で学んだ「気を付け!」の姿勢ですが、 あれは力みまくってるので正しい姿勢ではないようです。 正しい姿勢は各関節が緩んでいないといけません。 そう言えば、 かの宮本武蔵が「五輪の書」で同じ様なことを言っていたようです。 本書ではその緩んだ正しい姿勢を たった10個のフレーズに落とし込んで 日々の生活に活かせるように工夫してくれています。 代表格は「頭の中で小舟が静かにゆれています」です。 詳細を書くと本を読む楽しさが無くなるので内緒。 気になる方は是非ご一読を。 私はこの本ですっかり姿勢が正しくなりました。 しかし、疲れてくると姿勢が崩れまくるので、 修行はまだまだ足りてません。 一生かけて正しい姿勢を追求してやるー!!! 大橋しん著 飛鳥新社 2021年刊

コロナを題材に正しい思考法を学ぶ
「新型コロナとワクチン わたしたちは正しかったのか」

 本書は、 第一作「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」 に続く二作目という位置付けの本です。 一作目の出版が2020年末。 一方、本作は2021年末の出版。 この一年間のコロナに対する科学と医療の進展、 そして、コロナを巡る状況の変遷を改めて概括してくれます。 こういう「現在進行形のもの」を学ぶ時に絶対に欠かせないのが 学んだ知識の更新です。 特に今回のテーマ「コロナ」に関しては進捗がめまぐるしいので 一年も過ぎれば浦島太郎になってしまうと思い本書を購入しました。 一番の進展は著者の一人峰宗太郎先生が ワクチンに対してポジティブに考えるようになったことではないでしょうか。 峰先生が 「第三層試験の結果や、実際の接種のスタート、公聴会などで示された、いくつものエビデンスを見て、これはリスクよりもベネフィット(利益)が明らかに大きい、と判断しました」と述べる通り、 この一年でデータの蓄積が成されたことで 数値を読めるようになったことが大きな進歩であったと思います。 ただやはり、前著でも触れられていた、 ワクチンによる10年先への副作用は未知のままということも 再度言及されています。 この白と黒の両方に触れる点が峰先生の信頼に足る部分であると 私は思っています。 ワクチンを車に例え 車の事故はゼロにはならないけど、 そのリスクを理解した上で車を選択するという話は解りやすかったです。 ワクチンの接種は最終的には個人の価値観で決定することで、 その為の思考の道筋、 最新のコロナ(今回は特に変異についての解説が良かった)とワクチン情報、 そして最大の読み所「学術論文の解説」という本書の構成は拍手ものです。 コロナは大迷惑なんですが、 こうして「どのように考えるか」を学ぶ機会を与えてくれた点だけは良かったのではないでしょうか。 コロナでさえも「災い転じて福と成す」です。 何からでも学べます。 今回、私は本書から「情報リテラシー」を学びました。 皆さんもいかがですか? 本書はその最大の助けになってくれますよー。 超お勧めです。 峰宗太郎 山中浩之 共著 日経BP 2021年刊