コロナを題材に正しい思考法を学ぶ
「新型コロナとワクチン わたしたちは正しかったのか」

 本書は、第一作「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」に続く二作目という位置付けの本です。

一作目の出版が2020年末。

一方、本作は2021年末の出版。


この一年間のコロナに対する科学と医療の進展、

そして、コロナを巡る状況の変遷を改めて概括してくれます。


こういう「現在進行形のもの」を学ぶ時に絶対に欠かせないのが

学んだ知識の更新です。

特に今回のテーマ「コロナ」に関しては進捗がめまぐるしいので

一年も過ぎれば浦島太郎になってしまうと思い本書を購入しました。


一番の進展は著者の一人峰宗太郎先生が

ワクチンに対してポジティブに考えるようになったことではないでしょうか。


峰先生が

「第三層試験の結果や、実際の接種のスタート、公聴会などで示された、いくつものエビデンスを見て、これはリスクよりもベネフィット(利益)が明らかに大きい、と判断しました」と述べる通り、

この一年でデータの蓄積が成されたことで

数値を読めるようになったことが大きな進歩であったと思います。


ただやはり、前著でも触れられていた、

ワクチンによる10年先への副作用は未知のままということも

再度言及されています。


この白と黒の両方に触れる点が峰先生の信頼に足る部分であると

私は思っています。


ワクチンを車に例え

車の事故はゼロにはならないけど、

そのリスクを理解した上で車を選択するという話は解りやすかったです。


ワクチンの接種は最終的には個人の価値観で決定することで、

その為の思考の道筋、

最新のコロナ(今回は特に変異についての解説が良かった)とワクチン情報、

そして最大の読み所「学術論文の解説」という本書の構成は拍手ものです。


コロナは大迷惑なんですが、

こうして「どのように考えるか」を学ぶ機会を与えてくれた点だけは良かったのではないでしょうか。


コロナでさえも「災い転じて福と成す」です。

何からでも学べます。


今回、私は本書から「情報リテラシー」を学びました。

皆さんもいかがですか?

本書はその最大の助けになってくれますよー。

超お勧めです。


峰宗太郎 山中浩之 共著

日経BP

2021年刊

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