四書完走!「大学・中庸」

 前に「孟子」の時に書いた四書五経をご記憶でしょうか?

お忘れの方のために以下、
「孟子」の回から引用です。

-----引用ここから---------
全部で九冊(四冊の書、五冊の経)の本がグループの中に存在していて、
「できればこの順番で読んだ方が学び易い」という読む順番まで存在しています。
「孟子」はその「四書」の中の一冊で、
推奨されている四書の読む順は
「大学→論語→孟子→中庸(ちゅうよう)」と言われています。
-----引用終わり------

「大学」は四書の最初、
「中庸」は四書の最後、でした。

本書はこの「大学」と「中庸」という二つの書物が一つになったお得な一冊です。
ただ、読むのに大変時間がかかりました。

まず「大学」を読んだのですが、
「大学」終わったらそこで本書を止めて、
後は「論語」→「孟子」と順に読み、
で、また本書に戻ってきて残りの「中庸」と読み進めました。
数年かかった次第です。

四書を通して流れているのが「仁」(人の愛)であり、
当時乱れていた中国の世相を反映して、
正しい政治、正しい政治家の在り方を説きます。

国の大本は家であり、その家を治めることを第一とします。
古(いにしえ)の中国は「家」を大事にしていたのもこの辺に繋がるのではないかと感じます。

もちろん政治家の徳も最重要視されます。
仁政を敷かなければ国は滅びる、とも。

この導入を大学が受け持ち、
いかにして各人が「徳」を身につけるかを説きます。

そして、最終の「中庸」では、
「偏るではなく、真ん中で在ること」の重要性を説きます。

日々を生きているとその時の気持ち一つでふらふらと心が揺れてしまいます。
そんな時に、偏らないように心の中心に「仁」を置き、
日々の生活ではしっかりと「徳」を積む。
心がふらつく時には「仁」を思う。

と、理想はこんな感じです。
あとは日々修行あるのみ。

四書を通読して、
私は心に羅針盤ができた思いがします。
四冊分なのでページは多く、四書の通読は大変ですが、
皆さんも順番に読んで、
良い人生の道しるべとしていただきたいと思います。

長い人生、コンパスなしで旅をする?
怖い怖い。

川谷治訳註
岩波書店
1998年

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