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日本人なら読んでおいた方が良い「永続敗戦論」

 久々に来ました。 価値観を大いに揺るがせる本です。 第二次世界大戦の敗戦処理を日本政府が誤ったがために、 いまだ日本がその呪縛に縛られていることを明らかにした書です。 簡単に言うと当時の政府は、 日本の敗戦を正面からは受け止めず、アメリカ従属によって覆い隠しました。 その結果、アジア対応に苦慮し、 アメリカには煮え湯を飲まされ続けているというお話です。 今の政府はそれを知ってか知らずか継承しています。 先日決定した自民党の新総裁の高市氏は保守路線ですので、 この路線は引き続きキープされていくことでしょう。 理解すればするほど頭が痛くなる話です。 アメリカという国は確かに魅力的ではありますが、 こうした構造を理解するとアメリカからのすべてを享受するのは恐ろしく、 一旦、自分の中でかみ砕いてから受け入れないといけないと考えるようになってしまいました。 また、自国の敗戦の歴史を真正面から理解する必要性も強く感じたので、 今後はそちら方面の本も進んで読んでいきたいと思うようになりました。 なぜいま、日本はこんなにも奇妙な政治を行っているのか、 なぜ、それなのに新総裁に対して歓迎ムードなのか、 それは、我々国民の不勉強がその一因であるのかもしれません。 広島、長崎、沖縄県民だけではなく、 日本人であれば知っておかなければならないことばかりが書かれている重要な書であると思います。 ただ、論理構成が難しいので、 小中学生の皆さんはまだ読まず、 大学生になった頃に私の話を思い出して読んでもらえると嬉しいです。 大人の方でここを読んでおられる方は、 何をおいてもまず本書を通読されることをお勧めいたします。 普段、堅い本を読み慣れてない方は辛いかもしれませんが、 読了後の世界は確実に変わります。 歴史的事実の検証は重要なんですが、その解釈には様々な立場があります。 その結果、多様な歴史観が世界には存在しています。 しかし、どの歴史観を選ぶかはその人次第。 この歴史観は悪くないと、個人的には思います。 白井聡著 講談社 2016年刊