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ドラえもんのルーツ!「魔法のつえ」

 藤子不二雄のルーツに迫る児童書探訪してみました。 最近、難しい本が続いていたので、今回は児童書でまったりと楽しみました。 敬愛する藤子不二雄両先生が幼少のころに好んで読まれていたというので手に取った次第です。 「どこでもドア」のルーツでしたね。 タイトルにもなっている「魔法のつえ」を使うことで、 どこにでも好きなところへワープしてしまうという趣向です。 南海の孤島に飛んでみたり、 砂漠に飛んで飛行士のおじさんを助けたり、 果ては、外国の王子様を助ける大冒険です。 私は「復刊ドットコム」で復刊したバージョンを購入したのですが、 本書の最初の出版は1951年です。 ただ、1951年に書かれた児童書にしては表層的な物語で深みがありません。 この時代の本は、児童書とはいえもう少し哲学的なものがあると思っていたので拍子抜けしてしまいました。 少し調べたところ、原書はもっとページ数があるのですが、それを編集して太田黒勝彦さんが書き改めたもののようです。 ずっと気になっていた、太田黒さんの名前と共に書いてあった「編著」はそういうことを表していたようです。 ちなみに、太田黒さんは明治生まれの児童文学作家さんです。 幼少の藤子不二雄さんにはSFの空気に触れる端緒になって夢が広がったことは想像に難くないのですが、 その藤子氏の名作群(特に少し不思議シリーズ!)で育ってきた私としては、少々物足りなかったです。 それもこれも、この本を種として、大きく大きく育ってしまった藤子不二雄先生のせいなんですけどね。 巨匠のルーツを見ることができて大変興味深かったのですが、それ以上の読書体験にはならなかったのが少し残念なところでした。 今回は、きっと物語そのものではなく、「藤子作品に繋がる芽」を見つめる読書になったのだと思います。 さて私は、口直しに藤子先生の名作「ミノタウロスの皿」でも読み直そうかなぁ。 みなさんも、藤子先生のS(少し)F(不思議)シリーズ、ぜひ読んでみてくださいね……と、なぜか藤子先生への布教で締めてしまいました。あちゃ~(笑)。 ジョン・バッカン作 太田黒克彦編著 復刊ドットコム刊 2013年刊

何でこんな本が書けたんだ「日本の思想」

 今回の本の著者、丸山真男さんは、私としては色んな本の中で何度も目にしていたとても馴染みの深い方です。そうであるにも関わらず、一冊も著書を読んでいなかったので、今回初めて手を伸ばしてみました。 とてもとても刺激的で、大好きな本になったのですが、とにかく難解でした!!!!! 本書は四部構成になっていて、最初の二つは論文で、あとの二つは講演の再録です。 私が一番好きになったのは、一つ目の論文で、書名にも使われた「日本の思想」という題名の論文です。 「日本人の考え方」の起源を探り、変遷を辿り、日本人に不足している点を痛快に指摘するのですが、その話が広範すぎてついていけない……。 ましてや、説明に出てくる理論やイデオロギーを読者が分かっている前提で話が進むので、恐ろしい書物になっています。 全体を通じてマルクス主義のことを分かっていないとまったく話が見えませんし、説明のとっかかりの本居宣長のことも、本居の思想を知っておかないと丸山が何を述べているかもわかりません。 はたまた、大隈重信や伊藤博文の書いた文がそのまま、漢文訓読体で引用されているし……。 断っておきますが、私はカール・マルクスも本居宣長も名前しかし知りませんし、漢文訓読体はなんとか読めますが、一部読めない箇所もありました。 こんな状態であったにも関わらず、丸山の説明はしっかり分かりました! だからこそ、大好きになれたわけなんですが、実に不思議な話ですよね。 答えはAIです。分からない箇所があるたびにAIに質問したんです。 『本居宣長の布筒構造って何?』『マルクス主義の党派って何?』 読めなかった漢文訓読体『反之我国ニ在テハ』も、AIに聞いて 「これにはんし わがくに に ありては、だったのか!なんと初歩的な!」と悩みが氷解し、まるで家庭教師がついているかのようでした。 私のように不勉強な人間でも、こんな難解な本が読み解ける喜びたるや比肩するものがありません! 丸山の理論を簡単に言うと、日本人の思想の根本は神道の八百万の神に端を発し、確固たる根っこが無いという点がスタートになります。 こうした個人個人が思想の根が無い上に、その個人を取りまとめる「村」を登場させ、村という共同体の中で、みんなでまるでお神輿を担ぐように責任を分散させるというシステムがお上によって考え出されました。 そのシステムを考え出した政府自...