ナイツの単独見に行った過去あります「言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」
教室では標準語を駆使してますが、私は関西出身です。
だからなのかどうか解りませんが、漫才が好きです。
コロナが蔓延する前は
寄席や企画ライブを見に
新宿のルミネtheよしもとまで足繁く通ったり、
ルミネに限らず、
お気に入りの芸人さんが単独ライブをするとなれば
各会場まで駆けつけたりたりしたものです。
そんな訳なので、
漫才の超メジャーイベント「M-1」も気にかけています。
漫才の何が楽しいかと言うと
あの短時間に濃縮されたストーリーです。
映画も好きなんですが、時間を取られるのが玉に瑕。
その点漫才は過大な時間は求められないのでお気に入りです。
ライブで見ると、
お客さんに合わせて調整するベテランがいたりするのも面白い。
(アクシデントやミスをアドリブでカバーするのも好き)
そんな漫才のコンテストであるM-1について語られるのが本書。
著者は漫才師ナイツの塙(はなわ)さん。
過去にはM-1に出場もされていますが、
現在はM-1の審査員を務めておられます。
M-1は競技化してしまったので
対策されるのは必然のこと。
それを審査員側から開示した点が
本書の最も面白いところではないでしょうか。
漫才のスタイルも色々あって
長いストーリーが得意な漫才師(ナイツ)、
中くらいのストーリーが得意な漫才師(和牛)、
短いストーリーが得意な漫才師(霜降り明星、サンドウィッチマン)、
と挙げた上で、
M-1は短いのが得意な方が有利だと論じます。
漫才に限らず、
最近の風潮が「単純化」にあるので
この話は納得なのですが、
長い尺の漫才には長い尺の漫才の良さがあるので
これはこれで部門を分けてM-1を行えたらいいのに、
などと部外者の私は考えたりしました。
他にも、吉本主催のコンテストなので
自然、吉本ルール(しゃべくり漫才が好まれる)で裁かれるから
非関西人にとっては勝ちにくいと論じたり
(そんな中で優勝したアンタッチャブル、サンドウィッチマン、
パンクブーブーは大変な力量な訳です)、
ナイツ自身の話、
殊に「ヤホー漫才」の産まれた話など
お笑い好きには興味の尽きることの無い内容です。
センジンは東京にあるので
お笑いには少し距離感のある立地ですが、
先生は二人とも関西人!
関西のノリを忘れず、
でも東京に合うように薄めながら
お笑い道を突き詰めていきたいと思います!(←ツッコミ待ち)。
塙宣之著
集英社
2019年刊
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