題名通り!「世の中ががらりと変わって見える物理の本」

 本書の著者カルロ・ロヴェッリさんは

私が信奉している識者の一人です。


著者の2017年の作品「時間は存在しない」を以前読み、

その優美な筆致と物理の説明の解り易さで

たちまちノックダウンされてしまいました。


「これはカルロを追わなくてはいけない」と手にしたのが本書です。

こちらは2014年の本なので「時間は~」の3年前の作品になります。


ベースになっているのは

イタリアの新聞の日曜版で連載していた記事なので、

説明は一般向けで相変わらず易しく、理解が捗ります。


教えていただいたその中身は

相対性理論

量子力学

宇宙

素粒子

量子重力理論

ブラックホールを題材にした確率と熱

そして、人。


実は本書はとても薄いです。

その薄いページの中にこれだけがギュッと詰まっています。


哲学への造詣も深い著者は何度も哲学の言葉を引用しながら

私たち人間の自然の捉え方の不確かさを指摘します。


そう、世界はまだ不思議に満ちています!

私たちが見て、感じているこの世界が

ありのままの姿ではないのです!


空間は膨らんでいるし、

時間は流れていないし、

人間の意識の出所はまだ不明です。


物理を突き詰めていくと形而上学に繋がってしまうようです。


あらゆる学問の源は哲学ですが、

それをこんなにも端的に著すことができるとは!


やっぱり私はカルロ・ロヴェッリさんが大好きです。

文系の人にこそ読んでもらいたい素晴らしい一冊です。


カルロ・ロヴェッリ著

竹内薫監訳 関口英子訳

河出書房新社

2015年刊

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